国際通貨基金(IMF)は25日改定した世界経済見通しで2022年の実質成長率を4.4%と、前回21年10月の予測から0.5ポイント引き下げました。
高インフレが長引くアメリカと、新型コロナウイルスの封じ込めを優先する中国で大きく下振れし、新たな変異型に警戒を示し、ウクライナや台湾を念頭に東欧や東アジアの地政学リスクにも言及しています。
22年の世界経済についてコロナの変異型「オミクロン型」や供給不足で「従来の想定より弱い状態から始まった」と指摘し、コロナ下で急回復した21年は前回予測と同じ5.9%と推定し、IMF統計で遡れる1980年以降で最大の伸びとなるようで、22年は減速し、23年の伸びは3.8%へとさらに鈍るようです。
オミクロン型は22年1~3月期に下押し要因となるものの、4~6月期に影響が弱まり始めるとみており、22年末までにワクチンや治療薬が普及し、ほとんどの国で悪影響が和らぐ前提で予測しています。
22年の成長率の下振れは米中が主因だ。0.5ポイントの修正幅のうち米中それぞれ4割前後、両国で計8割を占め、米国の成長率は4.0%と前回予測から1.2ポイント引き下げた。21年の5.6%から伸びが鈍る。
その理由として米国が直面するリスクにインフレを挙げた。労働市場の逼迫で賃金が上昇し、物価上昇圧力が続くと想定する。21年12月に7.0%を記録した物価上昇率は22年10~12月期でも4%台にとどまると予測した。従来は2%台に下がると見込んでいました。
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