日本の法人税は世界的にみて高い水準にあり、日本企業の国際競争を高めるためには、税率を下げることが必要となっています。
政府は、2015年度から数年間で法人税を20%台に引き下げることを目指すと宣言し、経済界や市場関係者からは歓迎の声が上がりました。
というのも日本の法人課税の実効税率は標準税率で34.62%、東京都であれば35.64%と世界的に高い水準になっていて、2016年度にようやく29.97%まで引き下げられています。
狙いとしては、日本企業が国際的な競争力を回復させるためであり、税率が下がることにより企業の利益が増えますから、その利益の中で設備投資や新ビジネスに挑戦できるようになったり、株主の配当を増やしたり、社員の賃金を上げることにより、個人消費が刺激され、経済が活性化するということがあったのですが、残念ながらいまの日本企業は、政府の目論見どころか、内部留保の額が過去最大となったようで、財務省が発表した2017年度の法人企業統計によれば、内部留保は446兆4844億円と前年度比9.9%増え、6年連続増加傾向となり、さらには9.9%増という伸び率はこの6年でも最も高いのだそうです。
まぁ、政府の目論見というものが甘かったのか、日本企業の創造力がなくなってしまったのかは定かではありませんが、こんな中で消費税10%となるのですから、ますます明るい未来なんて描くことはできませんよね。
Comments